投稿日:2023/6/21 更新日:2023/10/6
「チョロさんの場合、適応障害になるかと思います。」
まぁそうだろうなぁ、という自覚はありました。
無限に降ってくる、ひとつひとつがとんでもなく重い仕事。
ムチャとムリとリフジンを押し付けてくる顧客。
それを見て見ぬふりをするか、「仕方ない」で丸投げする上司。
唯一救われたのは、部下の子たちが僕の無理なお願いを「上も上で大変なんですね」って
仕事をこなしてくれることでした。
『この子たちの負担を減らさなきゃ』
『そのために、俺がもっと踏ん張らないと』
最初は、この程度の辛さは耐えられると思っていました。
これまでもキツい現場は経験して、自分なりの対処法をそれなりに持っているし、
『今回もまぁ大丈夫だろう』
とタカをくくっていました。
1年が経った頃、プロジェクトの立ち上げや顧客からのクレームで無数の傷を負いながらも、
内外から少しずつ認めてもらえるようになってきて、昇進の話もいただきました。
『ほぉら、大丈夫だったじゃん』
あと数年は同じ現場での仕事を覚悟した、そんな矢先でした。
「チョロさんの場合、適応障害になるかと思います。」
いやまあ、そらそうだとは思いましたよ。
傍から見たらギリギリ回しているように見えたかもしれないけど、
こちとら夜は不安で寝れないし、土日も仕事のことばっかり考えちゃって
家のことは疎かになっちゃうし子どもの相手もろくにできないし、しまいには家族に八つ当たりしちゃう始末。
夫として、父親として、大人として、
控え目に言って最低だったと思います。
そのあたりの感情のコントロールができないようじゃあ、以前の自分と比べたら異常だわな。
最初はそんなことすら自覚がなくて、嫁さんに
「もう、病院行ってみたら・・・?」って。
お医者さんから「適応障害」って診断された瞬間、
『もう、限界だったんだな・・・』って思いましたね。
これまでそういった人たちを何人も見てきて、自分は大丈夫、そう考えて頑張ってきたけど、
気づかないうちに限界突破しちゃってたんだな。
ここでやっと、メンタルクリニックに行く決心がつきました。
特に強いこだわりはなかったのですが、行ってしまうとそういうことになってしまうのが怖くて
ずっと行けなかったんですよね。
行ってから思いましたが、モヤモヤしたまんまずっと引きづってても何の解決にもならないので、
自分のコントロールだけでどうしようもないなってわかった段階で、こういった手段を早めに取っておいたほうが、
自分にとっても周りにとってもメリットがあるように感じました。
メンタルクリニックに行くのは初めてで、どう探していいのかもわからなかったので、
僕は過去にこういう経験をした先輩に紹介してもらったところへ行きました。
診断を受けた日は、対話による診察と、問診票(簡単な心理テストみないなもの)の記載、血液検査、
診断結果を会社に報告するための診断書を書いてもらいました。
血液検査は、身体の不調が精神的な要因以外の場合があるのでそのための検査だそうです。
僕の場合、血液検査は問題ありませんでした。
僕が行ったクリニックでは、診断書の書きっぷりもある程度希望を聞いてくれました。
具体的には、先生から「しばらくお休みすることをお勧めします」とのことだったので、
じゃあ、1か月くらいですかねってことで「1か月程度の休養が必要」と書いてもらいました。
そう書いてもらうことで、会社は診断書の記載を無視できないので、1か月はほぼ強制的に休まされます。
ここで知らなかったのは、そのままストレートに翌日から休み、というわけにはいかず、
当然、仕事の引継ぎをしてから休みに入る必要があります。
僕の場合、診断書を書いてもらった日から1か月間という扱いで、
翌日から2週間で最低限の引継ぎをして、
その後の2週間が本当の休養期間となりました。
ただ、この1か月間は無給になるので、有給が余っていた僕は有給をふんだんに使いながら
引継ぎをして休みに入りました。
ちなみに有給がない(使えない)場合、休職手続きをして休みに入るのですが、
休職は無給になるので健康保険組合に申請して傷病手当金が受け取れます。
加入している健保によっては受け取れる期間や金額の制限が異なる場合がありますので、確認が必要です。
休みに入るにあたり、貸与品(セキュリティカードや社用携帯、PCなど)を一度返却するよう言われました。
仕事のことを一旦すべて忘れて休養に専念するためだそうです。
こうすることで仕事関係の連絡は会社含めて閉ざされてしまうのですが、
経過の報告や復職のための連絡は必要になりますので、
個人の連絡先(プライベート携帯の電話番号やフリーアドレスなど)を事前に連絡しておく必要があります。
休みの間は、なるべく規則正しい生活を心がけるようにと会社から言われていましたので、
極力、早寝早起きを意識して、外に出て軽くウォーキングをして、気分転換に出かけて、
たまにダラダラして、といった生活を送りました。
その甲斐あってか、2週間でだいぶ元通りの状態に回復することができました。
今までほぼ仕事優先で突っ走ってきたので、仕事を忘れて家族との時間が多く取れたのは良かったと思います。
対外的には、今はいい時代になったもので、
リモートワークも定着してきて「かなり融通の効くリモートワーカー」ということで通せたので、
特に不審がられることはありませんでした。
ということで、適応障害と診断されてから休み期間までの様子でした。
その後の出来事については、また別の記事にしたいと思います。
同じような経験で悩まれている方に、少しでも参考になれば幸いです。